暖房のきいた部屋に入ると、冬でも突然、大量の汗をかいてしまうことにお悩みではありませんか?もしかしたらそれ多汗症かもしれません。私も同じ症状で悩んでいました。
多汗症とは、普通の人なら汗をかかない状態でも、まるで真夏日の炎天下を全力疾走したかのように汗をかいてしまう疾患です。
冬に汗をかく恥ずかしさ、気まずさ、そして悲しさを今でも覚えています。今回はそんな私の経験も交えながら、冬の多汗症の辛さや対策方法、治療方法についてお話をしていきます。
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冬の多汗症体験談。冬ならではの辛さとは?
暖房のきいた部屋にいると、じっとしているだけなのに汗をかいてしまいます。真冬であろうと、関係ありません。
普通なら走っても汗をかかないくらいの気温なのに、多汗症の自分はじっとしているだけで大量の汗をかきます。
冬なのに汗をかくという矛盾がツライ
突然自分の近くにいる人が、真冬なのに汗だくになったら「えっ、なんで汗かいてるの?大丈夫?」と周りは思うでしょう。冬の多汗症は、その視線がまたツライものです。
私は17歳の頃に多汗症を発症し、多汗症を抱えたまま高校生活を送っていました。暖房がきいているというだけで精神的に神経が高ぶってしまい、授業中に突然、大量の汗をかいてしまうということが何度もありました。
冬にじっとしているだけで滴るほどの大汗…。周りからどう見られていたのでしょう。
夏であれば汗をかいていても、そこまでおかしなことではありません。しかし冬に汗をかくというのは、どうしても変な目で周りから見られてしまいますよね。
寒いはずなのになぜ汗をかくの?
そんな目が辛くて何度も授業を途中で抜け出しました。汗をかくのが怖いので、冬でも基本は薄着です。
汗をかいたあとに体が冷えるのもツライ
室内にいるときは暖房のせいで大量の汗をかいてしまうので、ヒートテックなんかは絶対に着られません。ヒートテックを着て学校に行った日には、エンドレスで汗が出て本当にその場から逃げ出したくなります。
しかし1歩外に出れば手足がかじかむほど寒い冬の気温。汗でびっしょりになった体が、急激に冷やされて体調を崩してしまうことも何度もありました。
多汗症は夏もたしかに辛いです。しかし冬は冬でまた違った辛さがあるものです。
頭から湯気が出ていないかが気になる
他にも冬だからこそ困る多汗症の症状があります。
ちょっと運動しただけですぐに汗をかくので、冬の寒い空気のせいで湯気が出ていないか気になってしまう、という悩みです。
汗はなんとか隠せるとして、湯気はどうやったって隠せません。
頭から湯気が出てるなんて笑うしかないですよね。しかも湯気が出ているかどうかを自分の目では確認できないので、とにかく周りの視線が気になりました。
なぜ汗をかく?多汗症の原因
多汗症の原因はいろいろ考えられます。
汗は交感神経が高ぶることで出ます。多汗症の方は何らかの原因で交感神経が高ぶりやすい状態にあるのです。
つまり多汗症は、自律神経の働きがうまくいっていない方が、よりなりやすい疾患であると言えるでしょう。また甲状腺機能亢進症など、他の疾患が原因で多汗症のように汗がたくさん出る症状があらわれることもあります。
多汗症の原因については、下記の記事でかなり詳しく解説しているので、気になる方はこちらもぜひご覧ください。
冬の多汗症の対策方法
外にいると寒いのに、室内に入ると大量に汗をかいてしまいます。冬は室内と外の寒暖差が大きいので、よく風邪を引いていました。
私はどんなに寒くても服の下には着込まないようにしていました。着てるのは肌着とシャツ1枚だけです。氷点下になろうと、絶対にヒートテックは着ません。
暖房がきいていると汗をかきやすくなるので、簡単に脱いだり着たりできるように、服の下ではなく上に重ねて着る工夫をしていました。暑い、汗が出そうと思ったらすぐに脱げるような服で過ごしていたのです。
私の場合はシャツ1枚の上からコート、というのが定番でした。あんまり中に着込み過ぎると多汗症の発作が起きたときに服を脱げないので、熱がこもって一向に汗が止まらないという最悪の事態になるからです。
かといって、着ている服の生地が薄すぎると、万が一汗をかいた時に汗染みが目立ってしまうので、そこも注意が必要です。
冬はとにかく、できるだけ脱いだり着たりしやすい服装でいきましょう。
私が行っていた多汗症治療
私は多汗症の治療で病院に通っていたものの、治療は漢方薬や普通の飲み薬でしか行っていませんでした。当時は多汗症があまりメジャーな病気ではなかったため、治療ガイドラインなどもなく、ただ効くと言われているお薬を飲むしかなかったのです。
どうしても汗をかきたくないときはプロバンサインを飲んで凌いでいました。
基本は漢方薬で自律神経を整えていく治療法です。効果があったのかと聞かれたら正直わかりません。漢方薬は合う合わないが分かれているので、どうしても自分に合うものを見つけるのに時間がかかってしまいました。
薬で症状を抑えていくのも良いですが、やはりできるだけ厚着をしない、寒いなら下ではなく上から着込むといった対策が1番だと思います。
まとめ
多汗症ではない方からすると、冬なのに汗をかくというのは考えられないことかもしれません。だからこそ冬の多汗症はツライのです。
多汗症というのは、汗をかいてはいけないところで汗をかくことがもっともツライことなのです。みんな寒がっているのに、自分だけ汗をかいてしまう。これほど恥ずかしく惨めなものはありません。
今は多汗症の治療ガイドラインもしっかりとできていますので、自分の症状に合わせて治療進めていけるようになっています。
多汗症の治療を行っている医療機関もだいぶ増えたように感じます。とにかく私から1つ言えるのは、服を中に着込むのではなく上から重ね着することが大事だということ。
汗が出そうと思ったらすぐ脱げる格好でいることが、冬に多汗症の発作を起こさないための近道です。