多汗症の基礎知識

足のうらの汗を抑える方法は?足底多汗症の治療について解説!

「体育館ではだしで走るとすべってしまう」
「歩いた後に自分の汗が残っていて恥ずかしい」

足の裏から多量の汗が出てしまう足底多汗症。すべりやすくなったり、汗のあとが残ったり、さらには靴がにおいやすくなったりとさまざまな悩みが付きまといます。

どうすればこの足汗を止めることができるの?とお悩みの方に向けて、この記事では足底多汗症の治療方法をガイドラインにそって詳しく紹介していきます。



足底多汗症の治療方法

多汗症の治療方法については、日本皮膚科学会が出している「原発性局所多汗症診療ガイドライン」がベースとなります。

  1. 塩化アルミニウム液
  2. イオントフォレーシス
  3. ボトックス注射(BT-A局注)

足底多汗症では上記の3つが主な治療方法です。

3つの治療方法でもっとも効果が期待できるのはイオントフォレーシスですね。他の治療方法は推奨度C1の「行うことを考慮してもよいが、十分な根拠がない」とされています。

イオントフォレーシスだけは「行うよう勧められる」の推奨度Bに該当するので、まずはこのイオントフォレーシスの治療から行ってみるとよいでしょう。

イオントフォレーシス

足底多汗症の治療方法でもっとも推奨度が高いのが、イオントフォレーシスです。

イオントフォレーシスとは、足底多汗症や手掌多汗症に用いられる治療方法で、微弱な電流を流すことで汗腺を狭くし、汗を出にくくします。

イオントフォレーシスの効果

イオントフォレーシスは足底多汗症に非常に有効な方法で、第一治療法として知られています。副作用が少なく、簡単にできる治療方法であることから、広く普及していることが特徴です。

足の裏の多汗症がある方にイオントフォレーシスを6~18回行ったところ、発汗量の低下が見られたことが、日本だけでなく欧米の研究でも明らかになっています。

イオントフォレーシスの費用

イオントフォレーシスは保険適用です。3割負担の方で1回あたり約800~1,000円が相場となります。

イオントフォレーシスは何度も治療を行わなければなりません。治療回数はトータルで20回くらいになることが基本で、6回ほど通ったくらいから汗が減ってきたと効果を実感できます。

20回通うことを想定すると、治療にかかる費用は16,000~20,000円です。

イオントフォレーシスはどこで受けられる?

多汗症治療を行っている医療機関や美容クリニックで受けられます。

週に1~2回は通う必要があるので、通いやすいところを選びましょう。

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塩化アルミニウム液

塩化アルミニウム液は多汗症治療に使われる唯一の塗り薬です。

アルミニウムイオンが汗腺を障害することで、汗を出にくくします。塗るだけなので治療方法としてはとても簡単ですね。

塩化アルミニウム液の効果

足の裏の多汗症の場合は、塩化アルミニウム液の効果はイオントフォレーシスよりも劣ります。とはいえ研究結果を見る限りでは使ってみても損はないどころか、ぜひ積極的に使ってほしいと言える結果が出ています。

海外のデータになりますが、30~40%濃度の塩化アルミニウム液を足底多汗症の方に使ったところ、84%の方で汗の量が改善されたとの結果が出ました。

イオントフォレーシスと合わせて塩化アルミニウム液の治療を同時に進めることで、より高い汗止めの効果が得られるでしょう。

塩化アルミニウム液の費用

1本1,000~2,000円で購入できます。

病院内で塩化アルミニウム液を作って売っているため、価格は病院によって少々異なります。

塩化アルミニウム液はどこで買える?

多汗症治療を行っている医療機関、美容クリニック、また市販でも購入できます。市販で買う場合は「オドレミン」「テノール液」がメジャーです。

市販でも買えるので気軽に治療を始められますね。しかし市販品は塩化アルミニウム液の濃度があまり高くないことに気をつけなければなりません。

ガイドラインでは20~50%濃度の塩化アルミニウム液を使うとなっていますが、市販品は10%前後となるため、病院で貰う塩化アルミニウム液(20~40%のものが多い)と比べると効果が劣ってしまいます。

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ボトックス注射

ボトックス注射は、ボツリヌス菌の毒素を使って汗を抑える治療方法です。

汗はアセチルコリンという伝達物質が働くことで出るのですが、このアセチルコリンの働きをボツリヌス毒素がブロックしてくれるので汗が出にくくなります。

ボトックス注射の効果

ボトックス注射を手や足の多汗症がある方に打ったところ、約80%の方で汗止めの効果が5か月持続しました。

1回注射をするだけで5か月も汗の悩みから解放されるのであれば、とてもよい治療方法ですね。ボトックス注射は一般に効果の持続が約半年前後と言われていますが、中には注射をして何年も経つけど汗が止まっていると言われる方もいます。

ボトックス注射をすることで約半年にわたって汗を気にしなくてよい生活ができるので、精神的苦痛から解放され、汗の量が減ったのだと考えられます。

ボトックス注射の費用

1回の注射で約6~10万円かかります。永久的な汗止めの効果があるわけではないと考えると、やや高く感じてしまうかもしれません。

ただしイオントフォレーシスのように20回近く通院する必要もなく、それでいて長期間にわたって汗が止まると考えれば、悪い治療方法ではないと思います。とはいえ高額であることは間違いないので、メリットやデメリットをしっかり考えて行いたいですね。

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足の裏の多汗症には飲み薬での治療も行われる

抗コリン薬のプロバンサインや、自律神経を整えるグランダキシンなどの飲み薬も足底多汗症の治療に使われます。しかし推奨度は「行うことを考慮してもよいが、十分な根拠がない」に該当するC1です。

十分な根拠がないと言われると「飲んでも意味がないのでは?」と思われるかもしれません。飲み薬は合う合わないが大きいのと、プロバンサインのように一時的に汗を止めるだけで根本的な治療にはならないものもあるので、このような推奨度になっているのだと考えられます。

しかしどうしても汗をかきたいくないことが誰にでもあるでしょう。飲み薬はそのようなときに強力な助っ人として使えるため、塩化アルミニウム液やイオントフォレーシスを行いながら、飲み薬の治療もぜひ進めてみましょう。

グランダキシンや、体質を変えていく漢方薬はうまくはまると汗の量がかなり減るケースもあるので、ぜひ飲み薬も検討してみてください。

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まとめ

足の裏の多汗症は、イオントフォレーシスや塩化アルミニウム液での治療が基本となります。どちらか一方だけを行うよりも、両方を同時に進めていくことで高い汗止めの興亜kが期待できるでしょう。

もしもイオントフォレーシスや塩化アルミニウム液でも効果がなかったり、頻繁に治療へ通うのが困難だったりと問題がある場合は、ボトックス注射を検討してみてください。

ボトックス注射は1回の注射でおよそ半年も汗止めの効果が持続します。

他に飲み薬を使うことでここぞというときに汗を止めたり、汗をかきやすい体質を改善することができます。

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