「ちょっと緊張しただけで脇汗がびっしょり…。」
「汗が目立たない色の服しか着られない」
「脇汗を気にし始めると、よけいに汗が出てくる」
もともと脇の下は汗をかきやすい部位ですが、多汗症の方だとちょっとしたことがトリガーとなり、大量の汗をかいてしまいます。
脇汗で悩む方にぜひおすすめしたいのがボトックス注射です。注射をすることで4~9か月もの期間、汗を気にせずに毎日を過ごすことができます。
注射するだけで汗が止まるなんて、嬉しいですよね。今回はこのボトックス注射について、汗止めの効果や仕組み、メリットはデメリットなどを詳しく解説していきます。
Contents
ボトックス注射が有効な多汗症

ボトックス注射による治療は主に腋窩多汗症に有効とされています。しかし脇以外の部位にも使われることがありますので、詳しく見ていきましょう。
腋窩多汗症
まずは脇の多汗症から見ていきます。脇の場合は塩化アルミニウム液とボトックス注射(BT-A局注)での治療がメインです。
塩化アルミニウム液は、汗腺にフタをすることで少しずつ汗を出にくくしていきます。塩化アルミニウム液は1本1,000円前後で購入できる上に、肌に傷をつけることなく治療できるため、腋窩多汗症の第一選択とされているものです。


塩化アルミニウム液でも効果がなかった方、塩化アルミニウム液でかぶれて治療を続けられなかった方はボトックス注射での治療に進みましょう。
塩化アルミニウム液もボトックス注射もガイドラインでは「行うよう勧められる」とされる推奨度Bに該当するため、どちらも腋窩多汗症に有効な治療方法です。

手掌多汗症

ボトックス毒素の注射は主に脇の多汗症に用いられる方法なのですが、手のひらの多汗症にも有効なものとして知られています。
ただし治療の推奨度は「行うことを考慮してもよいが、十分な根拠がない」とされるC1に該当するため、基本は塩化アルミニウム液やイオントフォレーシスでの治療が優先です。

塩化アルミニウム液もイオントフォレーシスもあまり効果が出なかった場合はボツリヌス注射の治療を候補に入れてみましょう。

足底多汗症

足の多汗症にもボトックス注射は用いられますが、こちらも手のひらと同様に推奨度は「行うことを考慮してもよいが、十分な根拠がない」に該当するC1となっています。
そのため塩化アルミニウム液やイオントフォレーシスでの治療が基本です。

頭部顔面多汗症

頭や顔の多汗症の場合は、イオントフォレーシスでの治療ができないため、他の多汗症の治療と比べてボトックス注射の推奨度が高めになっています。
頭や鼻、おでこなど気になる部位にボトックス注射をすることで、高い汗止めの効果が出ることがわかっています。

ボツリヌス注射って何?なんで多汗症に効くの?

注射をするだけでなぜ汗が止まるの?と思いませんか?ボトックス注射の仕組みについて説明していきます。
ボツリヌス注射はボツリヌス菌の毒素を活用したもの
ボトックス注射はボツリヌス菌が産生する毒素の働きを活かして汗を止めるものです。ボツリヌス注射と呼ばれることもありますね。
ボツリヌス菌の毒素を使ったものにはなりますが、ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、感染の心配はありません。
ボツリヌス毒素の持つ抗アセチルコリン効果で汗を抑える
塩化アルミニウム液は汗腺にフタをすることで汗を出にくくするものでしたが、ボトックス注射は汗を出そうとする神経の働きから抑えてしまうものです。
発汗は交感神経が制御しています。交感神経が興奮すると汗が出る仕組みです。汗を出せと指令を出しているアセチルコリンの分泌をボツリヌス毒素が抑えるので、汗も出にくくなるわけですね。
ボトックス注射の費用は約10万円
費用はクリニックによってまちまちですが、片脇で4~6万円。両脇だと8~12万円です。一般的には10万円くらいが相場となります。保険適応になる場合は3割負担で3万円くらいですね。
多汗症の重症度に応じて保険適応かが変わるので、保険が使えるかどうかはクリニックに相談しましょう。
脇以外だと、両手だと4~6万円、両足で6~10万円です。
ボトックス注射のメリット・デメリット

注射するだけで気になる汗を抑えてくれるなんて、嬉しいですよね。多汗症のつらさは多汗症の方にしかわかりません。汗のせいでこれまでの日常が壊れてしまうこともあるものです。
そんなつらさから解放してくれるボトックス注射にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
ボトックス注射のメリット
- 1回注射するだけで4~9か月も汗の悩みから解放される
- 痛みが少ない
- 注射したその日からすぐ日常生活を送れる
両脇の注射で約10万円ほどかかるものの、注射を打つだけでかなりの期間、汗の悩みとは無縁な生活を送れます。汗が気になって着れなかったあの服も、汗のせいで憂鬱だったイベントも、ボトックス注射をすれば気にせずに済むのです。
片脇で15~20か所ほど注射をするので、多少の痛みはありますが、そこまで強くはありません。希望があれば麻酔を使ってくれるクリニックがほとんどなので、痛みを気にする必要はそこまでないでしょう。
皮膚を切ることもないので、施術が終わったその日から日常生活を送れます。
(ただし激しい運動は控えてください)
ボトックス注射のデメリット
- 効果が永久的ではない
- 人によってはすぐに効果が切れてしまうこともある
- 汗の量がゼロになるわけではない
何度もお伝えしているように、ボトックス注射の効果は約4~9か月です。徐々に効果が薄れていき、また元の状態へと戻ります。
人によってはボトックス注射の効果が3か月ほどで切れてしまうこともあるため、注射をしてみないとどれくらいの期間続くのかがわからないというデメリットもあるでしょう。
また注射しても完全に汗が抑えられるわけではありませんので、かなり量を減らせるとはいえ、汗の量をゼロにすることは不可能です。
その点、ミラドライは跡が脇に残ることもありませんし、一度治療を受ければ半永久的な効果が持続するので人気です。

何度もボトックス注射をするならミラドライを検討

ボトックス注射は、打ってから4~9か月しか効果が持続しません。効果が切れたらまた打って…と繰り返していると、意外と高い費用がかかってしまいます。
年に2回打つと考えると、1年で20万円、2年で40万円かかります。
これだけのお金を払うなら、ボトックス注射をその都度打つのではなく、ミラドライを受けたほうが確実にお得です。
ミラドライとは、脇の多汗症を治療する方法の1つで、高い効果があることからたくさんの注目を集めています。
ミラドライは効果が半永久的
ミラドライは1回の施術で35万円ほどかかりますが、ほとんどの方がたった1回の施術で満足のいく効果を実感しています。マイクロ波によって汗腺を破壊するので、1度でも高い効果が期待できるのです。
傷跡が一切残らない
ミラドライは皮膚の上からマイクロ波を当てるだけなので、傷をつけずに治療できます。傷跡が残らないのに汗を半永久的に止められるのはミラドライくらいしかありません。



まとめ

ボトックス注射は脇や手のひら、足の多汗症の治療に用いられる治療です。汗を出す指令そのものをブロックするため、高い制汗効果が期待できます。
効果は4~9か月と一時的なものなものではありますが、大きな手術をすることなく汗を気にしない生活を手に入れられるため、人気の治療方法です。
塩化アルミニウム液やイオントフォレーシスの治療が効かない場合は、ボトックス注射も視野に入れてみましょう。

