多汗症の治療薬

手掌多汗症は手術でほぼ100%治まる?!効果やリスクを解説します!

多汗症の治療は一般に、塩化アルミニウム液やイオントフォレーシス、飲み薬での治療が行われます。

基本的にはこれらの治療がメインとなるのですが、なかには手術が有効な多汗症もあるのです。手術をすればほぼ100%、汗が止まると言われています。

しかし手術にはリスクも伴うため、安易に行ってはいけません。ここでは多汗症の手術に興味がある方に向けて、手術の方法やリスクなどを詳しく解説しています。

手術が有効な多汗症は限られているので注意

どの多汗症にも手術が有効というわけではありません。一般的に手術が有効とされているのは、手掌多汗症と頭部顔面多汗症のみです。

足底多汗症や腋窩多汗症は手術が適応とならないことがほとんどです。さらには手術が適応となる頭部顔面多汗症でも、推奨度は「行うことを考慮してもよいが、十分な根拠がない」とされているC1に該当しています。

手掌多汗症では「行うよう勧められる」のBに該当するため、手術がもっとも有効な多汗症は手掌多汗症だと言えますね。

ただし腋窩多汗症でも、場合によっては手術が適応となることもあります。

参考:原発性局所多汗症診療ガイドライン 2015 年改訂版

下の方に小さな文字で「交感神経遮断術は重症、保存的治療法に抵抗性で患者本人の強い希望があること」となっているため、例外的に行われる治療方法だと認識しておいた方がよいかもしれません。

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多汗症の手術って何をするの?

手術とは簡単にいうと、交感神経を取り除いたり、焼いたりすることで交感神経が働かないようにするものです。汗は交感神経の働きによって出るため、交感神経そのものを取ってしまえば汗も出なくなりますよね。

交感神経が働かないようにするため、一般的には「胸腔鏡下胸部交感神経遮断術(ETS)」と呼ばれている方法です。

手術をすればほぼ100%汗が止まることから、どんな治療を行っても思うような効果が出なかった方にとっては、最後の砦とも言える治療方法となります。

多汗症手術の効果は?どれくらい汗が止まるのか

汗を出す交感神経そのものを取り除くため、汗はほぼ100%止まります。ただし脇や足の裏は、手のひらと比べて効果に個人差が出やすいことが特徴です。

手掌多汗症であればほぼ100%、それ以外の部位であれば個人差があると認識しておきましょう。

手術を行った当日から効果を実感できます。即効性があり、確実な効果が期待できる治療法だと言えるでしょう。

どうやって手術するの?!跡は目立つ?!

手術で交感神経を取り除いたり、焼いたりするためには皮膚を切開して行わなければなりません。そのため「手術跡が目立ってしまうのでは?!」と思ってしまう方もいるでしょう。

しかし多汗症の手術は約3~5mm程度しか皮膚を切開しません

どこの部位の汗を抑えたいのかにもよりますが、女性であれば乳房の下、男性であれば乳輪したを切開します。手のひらの汗を出す交感神経が胸のあたりにあるためですね。この他に脇の下にも切開を入れて、手術を行っていきます。

切開したところから胸腔鏡を入れて交感神経を取っていくため、傷はごくわずかで済みますよ。跡もほとんど目立ちません

手術時間は1時間ほどです。神経を取り除くと聞くと、大掛かりな手術をイメージしますが、意外と早く終わります。

ほとんどの方は手術の翌日(早ければ当日中)には退院できるので、学校や仕事が休みの日を使ってでも十分に手術を受けられるでしょう。

多汗症手術を受けるメリット・デメリット

汗がほぼ止まる手術ですが、誰でもむやみに受けていいものではありません。メリットとデメリットを十分に把握した上で受けるかどうかを決めましょう。

多汗症手術を受けるメリット

  • 塩化アルミニウム液やイオントフォレーシスでも効かなかった汗がほぼ100%止まる
  • 手術を一度受けてしまえば効果は永続的
  • 重症の手掌多汗症でもしっかりと汗が止まる

塩化アルミニウム液は、効く方とそうでない方とがどうしてもわかれてしまいます。塩化アルミニウム液での治療が有効な方でも、使用を止めてしまえばまた汗は復活してしまうものです。

塩化アルミニウム液は刺激があるので、人によっては肌荒れが起きて使用を続けられない方もいるでしょう。さらには十分な効果が出るまでに2週間ほどかかるため、効果が出るのか出ないのかわからない状態でしばらく使い続けなければなりません。

イオントフォレーシスも同様です。こちらも効果が出るのに1か月以上かかりますし、治療を止めたらまた汗が復活します。しかし手術を受ければ術後すぐほぼ確実に汗が止まるのです。

交感神経は取り除いたり焼いたりしてしまえば、二度と復活しません。そのため一度の手術で永続的な汗止めの効果が得られます。

手のひらから汗が滴り落ちるような重度の手掌多汗症でもしっかりと効果が出るのも大きなメリットです。

多汗症手術を受けるデメリット

  • 一時的に発汗が不安定になることがある
  • 術後の痛みが2~3日ほど続く
  • 代償性発汗のリスクがある

手術が終わった直後から汗の量が減ると先ほど言いましたが、人によっては術後1週間ほどは、手術前よりも発汗量が増えてしまう方もいます。

せっかく手術したのに、と思ってしまいますよね。最初の1週間を過ぎれば必ず発汗量が減りますので、一時的に増えたとしても問題はありません。しかしいくら一時的とはいえ、汗の量が増えてしまうのは精神的な負担が大きいものです。

皮膚を切っているので、どうしても痛みも伴います。軽い痛みではあるものの、呼吸をするときに痛みを感じることもあるため、気になってしまうかもしれません。

そして何よりのデメリットは、代償性発汗が起こる可能性があることでしょう。代償性発汗とは、どこかの汗を止めた分、他の部位で発汗量が増えてしまうことです。

手のひらの汗はかかなくなったけど、代わりに背中や顔、脇の汗が増えたという方は多くいます。どれくらい他の部位で汗が増えるかは人によるのですが、手術をしたほとんどの方に代償性発汗が出ると言われています。

代償性発汗が起きていても、程度が少ないので気が付かない方もいます。どれくらい症状が出るかは人それぞれです。

まとめ

多汗症の手術は、手のひらや頭部、脇の多汗症で有効です。主に手掌多汗症の治療として行われています。

汗を出す交感神経を取り除くため、手術後はほぼ100%汗が止まる治療方法です。塩化アルミニウム液もイオントフォレーシスも効かない方、重症の手掌多汗症の方でも手術で十分な効果が出ます。

ただし代償性発汗などのリスクもありますので、安易に手術を決断せず、よく考えた上で受けることが大切です。

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