手汗や足の汗で悩んでいませんか?
「裸足で歩けない」
「手をつなげない」
「パソコンやキーボードに汗がついてしまう」
など、汗はさまざまな悩みを引き起こします。そのような多汗症の治療方法として行われているのがイオントフォレーシスです。
今回はこのイオントフォレーシスの効果や仕組みについて詳しく解説していきます。
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イオントフォレーシスの治療が対象となる多汗症
多汗症は汗が出る部位によって細かく呼び名が付いています。このうちイオントフォレーシスの治療が推奨されているのは手掌多汗症と足底多汗症の2つです。
手と足の多汗症はイオントフォレーシスでの治療を行うように勧められています。
手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)
手掌多汗症では塩化アルミニウム液での治療とイオントフォレーシスでの治療が推奨されています。推奨度Bの「行うよう勧められる」に分類されているので、手の汗が気になる方はぜひとも受けたい治療です。
足底多汗症(そくていたかんしょう)
足の多汗症も手掌多汗症と同様に塩化アルミニウム液とイオントフォレーシスでの治療が優先的に行われます。
足の場合は塩化アルミニウム液よりもイオントフォレーシスの方が治療の推奨度が高いのが手掌多汗症とは違うところです。
イオントフォレーシスで多汗症を治療する仕組み
イオントフォレーシスは何か特殊な薬を使うわけでも、手術をするわけでもありません。水道水に電流を流し、そこに手や足をいれます。
イメージとしては上の写真のような感じですね。ただ水に手足をつけるだけなので、痛みなどもなったくありません。微弱な電流を流すだけなので多少ピリピリする程度です。
なぜ電流を流すだけで多汗症の治療ができるのか、不思議に思いませんか?はっきりとした仕組みはわかっていませんが、電流を流すことで生じる水素イオンが汗の出口を狭くすることで汗を減らせると考えられています。
イオントフォレーシスでの治療方法
水に電流を流して手足をひたすだけにはなりますが、イオントフォレーシスは段階的な治療が必要となります。
- 1回の治療でおよそ20分間、手足を水につけておきます。
- 治療は週に1~2回行う必要があります。
- だいたい10~12回通ったところで効果が見えてくるため、最初のうちはなかなか変化が現れません。
- 20回ほど通ったところで一旦治療が終了します。
手足を水につけておくだけとはいえ、1回の治療で15~20分も付けておかなければなりません。足ならまだいいですが、手だと治療中は他に何もできないので、少々大変です。
またイオントフォレーシスは、1回治療を受けただけで効果が出るものではなく、トータルで20回ほどは通う必要があります。汗の症状が落ち着いてくれば月に1回の通院で済むようにもなりますが、しばらくは頻繁に病院に通わなければなりません。
イオントフォレーシスは多汗症にどれくらい効果がある?
すぐには効果が出ない上に、何回か通う必要のあるイオントフォレーシス。手間がかかるのでできれば汗をしっかり抑えてほしいところです。いったいどれくらいの効果が見込めるのでしょうか。
イオントフォレーシスをされている方の声をいくつか集めてみましたので、参考にしてみてください。
今日の治療メニュー
手 20アンペア 15分
足 30アンペア 15分イオントフォレーシスは数日経った方が効果が出るので大事な用があるときは逆算して治療すると良いですよ??また連日で行った方が数日間は休めて効果的??
イオントフォレーシスを行った日は汗が出るので外出前にする事はオススメしません??— 二児母????多汗症?? SaalioR??(31) (@tease__ashiase) March 22, 2019
今日は大事な会議の司会進行役だったけど、汗かかなかったな?。イオントフォレーシスで効果があると、精神的も落ち着いてくる。
— まみむめもり (@fT4DrpIPd60ozSN) February 8, 2019
イオントフォレーシス4日で効果でた
— るる (@DEBUSU_SEIKEI) September 1, 2019
イオントフォレーシス5回目
手:6mA 15分×2
足:6.2mA 15分×2
終わった後は痒い~??
早い人は4,5回辺りから効果があると言われましたが、私は今のところ特に変化はないです。— みかん (@ZJF8Cw8gq8uAdeG) July 1, 2019
変化がある方もそうでない方もいますね。多くの方が効果を実感しているようですが、万能薬ではないため、なかなか効かない方もいるようです。
イオントフォレーシスのメリット・デメリット
イオントフォレーシスは水に手足をひたすだけなので、副作用の心配が非常に少ない治療方法です。しかしどんな治療方法もメリットだけしか存在しないなんてことはありません。
イオントフォレーシスのメリットとデメリットをそれぞれ確認してみましょう。
イオントフォレーシスのメリット
- 体に傷跡をつけることなく多汗症の治療ができる
- 副作用が少ない
- 1回あたりの料金がリーズナブル
多汗症の治療といえば、飲み薬や塗り薬、手術などがメインとなります。確実に多汗症を治療する方法としては手術が挙げられますが、手術は20~30万円と多額の費用がかかるものです。
ボトックス注射も1回で10万円ほどします。手術も注射も体に傷をつけるため、数日は痛みと共に生活することにもなるでしょう。
しかしイオントフォレーシスは電流を通した水に手足をつけるだけなので、大きな痛みを伴うことはまずないでしょう。多少ピリピリすることはありますが、痛みが嫌でイオントフォレーシスの治療を断念したという話は聞いたことがありません。
人によってはイオントフォレーシスによって肌がカサカサしたりかゆくなったりすることがありますが、副作用が起きたとしてもそれくらいのものです。
多汗症でイオントフォレーシスを受ける場合は保険がききますので、3割負担の方ですと800~1,000円くらいが1回あたりの相場となります。
イオントフォレーシスのデメリット
- 効果が出るまでに時間がかかる
- 効果がなかなか出ない方もいる
- 永久的な効果ではない
イオントフォレーシスは3~4回ほど通ってようやく効果が現れ始めます。どのくらいの頻度で通うのかにもよりますが、治療開始後1か月くらいは汗の状態があまり変わらないと思っておきましょう。
どれくらい通えば効果が出てくるのかは、人によってさまざまです。またイオントフォレーシスの効果が出て汗が減った場合も、治療をストップしたら再び汗が出始める可能性があります。
効果が出た後も2週間~1か月に1回は治療に通わなければなりません。
なお手や足に湿疹や傷がある方、ペースメーカーを装着している方、妊娠中の方はイオントフォレーシスの治療を受けられませんので注意してください。
イオントフォレーシスの機器は市販でも購入できる
毎週のようにイオントフォレーシスのために病院へ通うのは大変ですよね。学校や仕事が忙しくてなかなか通えない方もいるかと思います。
そのような方のために、自宅でイオントフォレーシスができる機器も販売されています。
こちらの家庭用のイオントフォレーシスは、手や足はもちろん、なんと脇にも使えるようにパッドが用意されているのが特徴です。
まとめ
イオントフォレーシスは体に傷をつけることなく、イオンの力で汗を出にくくする治療方法です。手のひらや足の多汗症の方に有効な治療方法となります。
頻繁に治療を行う必要がありますが、副作用が起きにくいため人気の治療方法です。保険もきくため、治療費も1回あたり800~1,000円と比較的安く済みます。
手術と比べると安い費用で済むため、手汗や足汗に悩む方はぜひイオントフォレーシスの治療を検討してみてください。