「歩いたところに汗の後が残って恥ずかしい」
「汗で足がくさくなって気になる」
このようなことにお悩みではありませんか?その汗の悩み、もしかしたら「足底多汗症(そくていたかんしょう)」かもしれません。
ここでは、足底多汗症の原因や治療方法などを詳しくご紹介します。足の汗で悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
足の汗はしっかり治療をすれば量を減らすことができます。数百円で始められる治療もあるので、諦めないでください!
Contents
足の裏の汗が多い?もしかしたら「足底多汗症」かも
汗が人より多く出てしまう疾患に「足底多汗症」があります。汗の量が多くて日常生活に支障が出ていても「体質」と片付けられることが多く、毎日悩んで生活している方も多いでしょう。
汗が多いのは立派な疾患です。疾患なので治療方法もきちんとあります。
そもそも多汗症とは
多汗症とは、過剰な発汗をきたす疾患のことです。次の項目のうち、2つ以上あてはまれば多汗症だと診断できます。
・最初に症状がでるのが 25 歳以下であること
・対称性に発汗がみられること
・睡眠中は発汗が止まっていること
・1週間に1回以上多汗のエピソードがあること
・家族歴がみられること
・それらによって日常生活に支障をきたすこと
多汗症は若いときに発症しやすく、また片足だけではなく両足に発汗が見られることが特徴です。遺伝する可能性も考えられているため、両親や兄弟にも同じ悩みをもつ方がいれば、あなたも多汗症の可能性が高いでしょう。
こんな症状がある方は「足底多汗症」の可能性あり
とくに足の発汗が過剰になっているものを「足底多汗症(そくせていたかんしょう)」といいます。
・汗ですべって裸足で歩けない
・靴下を履いておかないと足の裏にゴミがくっついてしまう
・靴下や靴がすぐに臭くなる
・汗ですべるためサンダルが履けない
・汗が気になって寝付けない
足の汗が多いことで、毎日のようにこのような悩みと格闘している方も多いでしょう。しかし、なぜ足底多汗症を発症してしまうのでしょうか。
「足底多汗症」になる原因
多汗症には薬の服用や代謝疾患などほかの疾患が原因で起こる続発性多汗症と、とくに他の疾患がないのに起こる原発性多汗症とがあります。
原発性多汗症の原因は、実はこれといった理由がまだわかっていません。今のところ遺伝と自律神経の乱れが原因ではと考えられています。
患者の一部には何らかの遺伝子関連も背景にあると考えられている
日本皮膚科学会が公表している多汗症の診療ガイドラインにも、遺伝する可能性について書かれています。
ただし、両親が多汗症でなくても子が多汗症になることもあれば、両親が多汗症でも子が多汗症にならないこともあるようです。
そのほか、自律神経の乱れも多汗症の発症に関係しています。交感神経と副交感神経のバランスが悪くなることで汗の調節がしづらくなり、過剰に発汗してしまうのです。
「足底多汗症」の治療方法
一刻も早くこの汗をなんとかしたい、と思いますよね。人目を気にしながら生活するのはとても疲れます。学校に行きたくないとすら思うこともあるでしょう。
でも大丈夫です。
足蹠多汗症は治療できます。
塩化アルミニウム液
塩化アルミニウム液は、もっとも手軽に、かつお金をあまりかけずにできる治療です。
汗腺を塩化アルミニウム液で徐々に塞ぐことで、発汗量を抑えていきます。即効性があるわけではありませんが、数日使い続けることで発汗量の減少を実感できるでしょう。
足の裏に使う場合は濃度が20~50%の塩化アルミニウム液の使用が推奨されています。濃度が高いほど汗止めの効果も高くなることが特徴です。
しかし、薬局やドラッグストアで手に入る塩化アルミニウム液はほとんどが10%前後のものばかりです。
そこでおすすめなのが「パースピレックスの強力版」。市販で手に入る塩化アルミニウム液のなかではもっとも濃度が高い25%となっています。
ひとまず市販品で治療を始めてみたい方には1番おすすめです。皮膚科に行ってもどちらにせよ最初は低濃度の塩化アルミニウム液しか処方してもらえないため、25%はちょうどよい濃度だといえますね。
イオントフォレーシス
イオントフォレーシスとは、電流を流した水道水に足をつけるだけで行える治療です。なぜ電流を流すだけで汗の量が減るのかは詳しくわかっていない部分もありますが、一説では水素イオンが汗腺を塞ぐからではと考えられています。
1回の治療につき20分、足を水につけておくだけです。ただし、1回の治療では効果が出づらく、合計20回ほど通うことで発汗をかなり抑えられると言われています。
イオントフォレーシスを行っている皮膚科で治療が可能です。もしお近くにイオントフォレーシスを行っている病院がなかったり、何度も通うのが面倒でためらったりしている方は、家庭用のイオントフォレーシスも検討してみてください。
自宅で好きな時間にスマホをいじりながらできるので、病院で治療するより気楽です。何より、わざわざ治療のために外に出なくていいのでしっかり治療を続けられます。
ボトックス注射
塩化アルミニウム液やイオントフォレーシスで十分な汗止めの効果がえられない場合、ボトックス注射も候補になります。
ボトックス注射とは、ボツリヌス菌の毒素を使って発汗の指令を出しているアセチルコリンの働きを抑えるものです。
注射するだけで数か月にわたり、汗を止めることができます。ただし、効果の持続は4~9か月ほど。値段も10万円前後するため第一選択とはなりづらいでしょう。
ただし、効果が続いている間はサラサラの足になれるので間違いなく快適です。
「足底多汗症」Q&A
最後に、足の多汗症に関するよくくある質問にお答えします。
「足底多汗症」の患者数はどれくらい?
足底多汗症を発症している方は、全人口の約2.8%です。発症する平均年齢は15.9歳となっています。
「足底多汗症」は放っておいても治るの?
時間の経過とともに治ることもありますが、数年単位での時間が必要なことがほとんどです。完治はしなくても、日常生活に問題ないくらいに汗の量が減る方もいます。
しかし、何年もかけて症状が落ち着いていくため、時間に任せるのはとてもつらいものでしょう。放っておくと皮膚がふやけてボロボロになったり、感染症を起こしやすくなったりすることもあるため、早めに治療を始めるのがおすすめです。
「足底多汗症」の治療は何科にかかればいい?
基本的には皮膚科にかかれば問題ありません。多汗症治療を行っている美容クリニックでも治療を受けられる場合があります。
まとめ
生活がしづらいほど足の汗が多い場合は、足底多汗症の可能性があります。遺伝や自律神経の乱れによって起こるとされていますが、原因はよくわかっていません。
しかし、塩化アルミニウム液やイオントフォレーシス、ボトックス注射などで治療をすることで汗の量は確実に抑えることができます。塩化アルミニウム液やイオントフォレーシスの機械はネットでも購入が可能です。
多汗症の患者さんのうち、治療をしているのはわすか10%程度だそうです。治療方法があるのにもったいないですよね。簡単にできる治療もあるので、自分に合うものをまずは始めてみてください。